【あなたの「何となく」はどこから来るのか】
コンビニで新製品のチョコを選ぶとき。初対面なのに「何となく気が合う」と感じるとき。 私たちの日常は、理屈ではない「何となく」に支配されています。
著者の石井裕之氏は、この「何となく」の正体こそが潜在意識であると言います。 今回ご紹介する『コミュニケーションのための催眠誘導』は、そんな潜在意識に直接語りかけ、人間関係を劇的にスムーズにするための「魔法の杖」のような一冊です。
【ミルトン・エリクソンの技法を日常へ】
本書は、伝説の精神科医ミルトン・エリクソンが用いた間接誘導のテクニックを、恋愛やビジネスなどの日常シーンで使えるよう徹底的に噛み砕いて解説しています。
特筆すべきは、相手のタイプを一瞬で見分ける**「Weタイプ/Meタイプ(旧Pタイプ/Eタイプ)」**の分類です。
- Weタイプ: 「私たち」という一体感を大切にする。右分けの髪、左重心、左手で荷物を持つ傾向。
- Meタイプ: 「私」という自己実現を大切にする。左分けの髪、右重心、右手で荷物を持つ傾向。
これを知るだけで、相手が「どんな言葉でやる気を出すか」「どう座れば心を開くか」が手に取るようにわかります。まさに「コミュニケーションの実戦(ストリートファイト)」で勝つための地図と言えるでしょう。
【3度読み返して見えた「技術の真意」】
私はこの本を3回読み返しました。 1度目はそのテクニックの多彩さに驚き、2度目は他の催眠・心理学の本を読んだ後に知識が繋がり、3度目でようやく「あ、こういうことか!」と、著者の意図がストンと腹に落ちました。
本書で紹介される「ダブルバインド」や「混乱法」といったテクニックは、一見すると相手を意のままに動かす「操作術」に見えるかもしれません。しかし、実際に自分で使ってみて、そして読み直して気づいたのは、これらはすべて**「相手が素直に話を聞ける土壌を作るためのツール」**だということです。
【テクニックを超えた「最後のメッセージ」】
本書のあとがきには、胸を打つ言葉が記されています。 どれほど高度なテクニックを駆使してラポール(信頼関係)を築いても、最後に**「付き合ってください」「契約してください」という自分の本当の気持ち**を言葉にしなれば、何も始まりません。
「伝えなくては、伝わりません。言葉を尽くさなくては、理解し合えません。」
テクニックは、あなたが「最後の一歩」を踏み出し、堂々と想いを伝えるための勇気を支えるためにあるのです。
【こんな人におすすめ!】
- 「一生懸命話しているのに、なぜか相手に響かない」と感じている方
- 心理学や催眠を、怪しいものではなく「実用的な技術」として学びたい方
- 相手の本質を瞬時に見抜き、深い信頼関係を築きたい方



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